FEATURE.03 TAILORING「極上の着心地」の秘密
ブレスの顧客様にインタビューした際、皆さん口をそろえて「立体的できれいだ」「とても着心地がよい」と言います。今回はその秘密を探るべく工房に入りました!
型紙
まず初めに採寸した数値をもとに、お客様の型紙を作成します。ブレスでは各寸法だけではなく、怒肩、撫肩等の体型補正も反映し「美しいスーツ」になるよう注力しています。 半世紀以上に渡り蓄積した「経験」と「感性」がなせる技です。
裁断
型紙が完成したら、次は裁断です。型紙を服地に当て、その通りにカットしていきます。大切なのは用尺をかけず、柄合わせをしながら型紙を服地に当てることです。そうしないとストライプやチェック柄が衿や背中等の箇所で合わなくなってしまうからです。どんな職人でも初めてカットする時は、緊張するそうです。誤って切ってしまえば10万円以上するスーツの服地が台無しですから・・・。
縫製
ここではミシンの音さえも静かです。なぜなら各工程の職人が立体的になるよう指先の力を加減しながら、ゆっくりと丁寧に仕事をしているからです。それでは、重要な工程を見ていきましょう!
八刺しと芯地
服地と芯地を縫い合わせる高度な技術なので、熟練職人のみが担当します。これにより湿度、温度による動きを吸収し、美しい立体感を出します。縫い合わせる糸がカタカナのハの字のように見えるのがわかりますか?芯地は、馬の尻尾である「本バス芯」とよりソフトなラクダの毛である「キャメル芯」を服地によって使い分けています。
前肩縫製
肩先が服地に当たると不快ですよね?ブレスでは、熟練職人による芯据えとアイロンワークで「前肩縫製」とし、肩から腕の動きの心地よさを実現しています。
ハンドワークの上衿
職人のアイロンワークによって首に吸い付くような上衿を作ります。結果、スーツの重さを感じず疲労しないものとなります。
美しいラペルのロール
美しいラペルのロールは芯地を据える高度な技術と適切な見返しの設計があってはじめて可能となります。
『極上の着心地』の秘密
工房を見て初めて気づいたのですが、見えない部分に職人の手間をかけています。各工程で中間プレスを多用し、平面である服地が立体に変化していく様は感動さえ覚えます。「どこか一つ」ではなく、「全ての工程のハーモニー」があって初めて『美しい立体感』と『極上の着心地』が生まれるのです。普段は目にしない内部構造を探りその秘密が理解できました♪